京都展@東博


今年最後の美術展は、東京国立博物館の『京都―洛中洛外図と障壁画の美』展です。
本邦初!!!
国宝・重文の全7件の『洛中洛外図』が期間中すべて公開されました。

室町時代の応仁の乱で京の都は多くを消失してしまいました。
そんなことから、京都の主な名所、季節の行事、市井の人々を描いた風俗画の屏風絵が
室町時代から江戸時代によく描かれるようになりました。
それを『洛中洛外図』と言います。
主なものは今回展示される7件。
いずれも、当時の名所の様子、季節感、そして生き生きとした人々の様子が魅力です。
なんと言っても、国宝の上杉本!
狩野永徳筆、織田信長が上杉謙信に送ったものです。

展示された7件、参考として
・国宝 「洛中洛外図屏風 上杉本」狩野永徳筆(山形・米沢市上杉博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 舟木本」岩佐又兵衛筆(東京国立博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 歴博甲本」(国立歴史民俗博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 歴博乙本」(国立歴史民俗博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 福岡市博本」(福岡市博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 勝興寺本」(富山・勝興寺蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 池田本」(岡山・林原美術館蔵)

それから、4Kの映像で大画面に映し出される
龍安寺石庭の四季は面白い試み。
展覧会開催にあわせて行われた本館と東洋館の建物を使った
3Dプロジェクションマッピングなど映像の新しい試みも特徴でした。

さらに龍安寺の方丈の襖絵、二条城二の丸御殿 大広間、黒書院の障壁画。
二条城の障壁画は当時の配置が再現された展示、
絵が上下に展示されるという珍しい展示になっていました。
この展示方法は大変珍しい方法で
実際の空間体験が出来る魅力的な展示でした。

革新的な展示方法はこれからの美術展の新しい可能性を見せてくれたように思います。