唯一無二

今年最初の美術鑑賞に先月都内へ。
タイミングの良いことに
日本美術きっての個性派衆のお二人の展覧会が同時に開催!

まずは東京国立博物館140周年 特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」
次にBunkamuraザ・ミュージアム 「白隠展 HAKUIN」
白隱展は2月24日まででしたが円空展は4月7日まで開催です。

円空と白隠はともに江戸時代の人物。
ほんとうに江戸時代の日本美術は実に魅力的!
円空は修験僧として諸国を行脚しながら膨大な(12万体)仏像を造りました。
寺に属せず孤独にひたすら修験の道を。
そして立ち寄った場所で木彫りの仏像を造ったのです。
仏師とは違い道具や材料が整っていた訳ではないので
その場所の木を手持ちの道具で。
なのでその仏像は即興的で実に個性的です。
そして数も尋常ではありません。
本当に小さな仏像から木のもとの大きさが分かるものまで。
人々に寄り添った仏像です。
こんな仏像を造ったのは先にも後にも円空のみ。
まさに唯一無二の存在。

入り口の丸太を思わせる4体にまず気持ちを掴まれます。
白州正子賞賛で有名な三十三観音立像。
千光寺の両面宿儺坐像。
清峰寺の聖観音菩薩立像などなど。
清々しささえ感じる仏像たちです。
展覧会の意図どうり
研ぎすまされていながら温かな美を見つけることが出来ます。

白隠慧鶴臨済宗の禅僧でこちらも大量の書画を遺しました。
白隠はあまりメジャーではなく、
今回の規模の展覧会は史上初ということ。
禅宗の開祖達磨や菩薩、布袋など禅宗的な画題から七福神から猿や鼠などまで
詩文を添えて。
さらにこちらも圧倒的な書。
白隠はこれらすべての書画に禅宗的なメッセージを込めています。
送る人に伝えるべきことをそれぞれに。
大胆でユーモラス、潔い
白隠という表現者も全く希有で、唯一無二です。

両者の作品とも
とてもまっすぐな心持ちを感じることが出来ました。
今年のスタートいい感じです。